Facebookの特徴を理解し、運用のコツを掴むためのFacebookマーケティング講座です。
広告宣伝に大きな予算をかけられない中小企業・個人事業では、無料で多くの潜在顧客にアピールできる可能性を持つSNSの運用は必須です。
今回はFacebookの特徴と、Facebookを使うことで一体何ができるのかについて、基礎から学んでいきましょう。
この記事の目次
FacebookはどんなSNS?
Facebook(フェイスブック)はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の草分け的存在の1つです。アメリカに本社を置くFacebook, Inc.が運営しており、2019年6月現在世界最大のSNSになっています。
まずはFacebookとはどのようなSNSなのか、その歴史と主要な特徴を確認しましょう。
Facebookの歴史
2004年2月にハーバード大学の学生であったマーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サベリンが創業したのがFacebookの始まりです。
外部サイト:会社情報 | Facebookニュースルーム
もともと学生同士のコミュニケーションサービスとしてスタートしたFacebookはまたたく間に成長を遂げ、Facebook, Inc.は今やアメリカの主要IT企業のひとつに君臨しています。
Facebookの日本語版が正式にリリースされたのは2008年5月です。以来、Twitter(ツイッター)と並んでSNSの原型をつくり、SNS文化の普及に大きな影響を与え続けてきました。
実名登録が原則
Facebookの最たる特徴は、実名登録が原則である点です。多くの利用者がハンドルネームで登録しているTwitterと好対照をなしています。
もともとFacebookはリアル(現実世界)での友人関係のつながりをネット上に再現することでコミュニケーションを促進するサービスでした。
今でもこの特徴は失われていません。実名で登録している利用者同士が、リアルでの交友関係に従ってFacebook上での「友だち申請」を行い、交流を始めるというのがFacebookの基本的な使われ方です。
詳細なプロフィール
プロフィール欄が非常に充実していることもFacebookの特徴です。
基本的な自己紹介欄があるのはもちろんのこと、現住所、出身地、学歴、職歴、家族構成など、かなりプライベートな情報まで登録することができます。
これらの情報は必ず登録しなければならない訳ではありませんし、登録したからといってFacebookの利用者全員に公開しなければならない訳でもありません。全く非公開にすることもできれば、「友だちだけは見ることができる」といったような公開範囲の設定が可能です。
Facebook利用者はプロフィールを詳細に登録することにより、Facebookからより正確な「友だち候補」の推薦を受けることができます。「リアルでは完全に親交の途絶えていた名前も思い出せない高校の同級生とFacebook上で繋がることができた」といった現象が頻繁に起こるのは、Facebookの強力なプロフィール機能に由来します。
また、Facebookをビジネス利用する企業・個人事業主にとって、こうした詳細なプロフィール情報は貴重なマーケティングデータの源泉になります。
「自分のビジネスに興味を持っているのはどのような年齢層で、どこに住んでいる人が多いのか」など、Facebookを使うことで他のSNSよりも踏み込んだデータ分析を行うことができます。
SNSの基本機能を網羅
FacebookはSNSというメディアの原型を作ったサービスのひとつでもあり、SNSに求められる機能を幅広く備えています。
例えば、Facebookの利用者は自分の思ったことや直近の出来事などをFacebook上に「投稿」することができます。「投稿」には文章のほか、画像や動画、他のウェブページへのリンクなどを掲載することができます。
「投稿」は、自分の友だちの「ニュースフィード」に表示されます。「ニュースフィード」とは「個人専用の新聞」のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。Facebookの人工知能(AI)が、利用者ごとに友だち関係や興味の対象を分析し、関心があると予想される「投稿」をハイライトで表示するのが「ニュースフィード」です。Facebookの利用者は、Facebookを開くたびに自分の「ニュースフィード」を確認し、直近のニュースを確認するわけです。
親密な友だちや家族の近況は興味がありますから、彼らの「投稿」は自分の「ニュースフィード」に頻繁に表示されます。一方、疎遠な友だちやビジネスアカウントによる「投稿」にはあまり興味がないことが多いでしょうから、「ニュースフィード」への表示回数は少なくなります。もちろん、古い情報よりも新しい情報が優先されます。
自分の「投稿」が友だちの「ニュースフィード」に表示され、読んだ友だちは「いいね!」ボタンを押して共感を示します。あるいは、「投稿」に対して「コメント」を付けて返事をするかもしれません。
自分の「投稿」を特に気に入ってくれた友だちは「シェア」をしてくれることもあります。「シェア」をされた「投稿」は、「友だちの友だち」の「ニュースフィード」にも表示されるようになります。こうして、情報が拡散されていくわけです。
ここまでで紹介した「いいね!」や「コメント」、「シェア」という行為は、ある「投稿」が有益で重要な情報を持っていることを示唆します。特にこれらの行為を短時間で集めた「投稿」、つまり勢いのある「投稿」は、「ニュースフィード」の上位に表示される可能性が高まります。
Facebookでは何ができるのか?
Facebookの歴史と特徴を概観してきました。では、ビジネス目的で活用しようと考えた時に、Facebookでは一体何ができるのでしょうか?
ミニホームページとして運用
Facebookは他のSNSに比べてプロフィール機能が充実しており、「投稿」の自由度も高くなっています。
こうした特徴はFacebookアカウントを「ミニホームページ」として活用することを可能にしています。
個人経営の飲食店など、まだ本格的なホームページを制作・運用できない段階の小さなビジネスでは、Facebookをホームページ代わりに運用していることが多いです。
メニューや商品の紹介、店舗の場所や営業時間、お店の様子、コンセプトの紹介など、ホームページを使って発信したい基本的な情報は、Facebookのビジネスアカウントを作り込むことによっても発信することができます。
もちろん、ホームページに比べて不利ないろいろとありますが、無料で比較的手軽に情報発信できる媒体としてFacebookをホームページ代わりに活用するのは悪い手段ではありません。
チームで運用
Facebookでは個人用アカウントとビジネス用アカウントが明確に区別されています。
ビジネス用アカウントは、複数の個人用アカウントを通じて操作できるように仕組みが整えられており、複数人でも簡単に運用することができます。
Facebookに限らず、SNSの更新はとにかく継続することが大切です。しかし、
一つひとつの投稿は小粒であったとしても、毎日休まず継続するのはなかなか大変なものです。
日本企業ではSNSの運用を軽視する傾向が根強く、「広報の人が片手間にやる作業でしょ?」くらいに思っている経営者も少なくありませんが、欧米企業ではSNS運用を専門にポストが用意されているのが普通です。本格的に運用すれば専属の担当者を付けなければならないほど大変な業務であると同時に、担当者の給与をまかなえる程の力を持つのがSNS運用なのです。
複数人で負担を分け合いながら運用する仕組みが最初から整っているのは大きな魅力です。
アイデア次第で自由に運用できる
Facebookの「投稿」には制限が少なく、各種SNSの中でもかなり自由に編集することができます。アイデア次第で自由に運用することができるのも、Facebookの特徴です。
投稿の文字数制限は事実上ありませんし、画像や動画、リンクの差し込みも自由に行うことができます。
成功しているFacebook運用では上記の自由度を活かして、宣伝以外にも工夫を凝らした様々な投稿を行い、潜在顧客とコミュニケーションを取っています。
イベント開催やクーポン発行まで
Facebookではイベント管理機能やクーポン管理機能も無料で利用することができます。
イベント管理では、イベントの告知から質問受付、出欠管理まで、イベントを開催するために必要な基本的な機能が備わっています。
クーポン管理では、オンラインで利用できるクーポンはもちろん店頭での利用を想定したクーポンも発行することができ、リアルとネットを組み合わせた運用を行うことができます。クーポンの発行対象や有効期限も設定することができ、小さなビジネスでも本格的なクーポン運用が可能です。
まとめ
以上、Facebookの歴史や特徴を概観してきました。
Facebookは現在の様々なSNSの原型を作ったサービスであり、SNSに求められる基本機能を網羅しています。それに加え、自由な「投稿」機能、複数人でのビジネスアカウント運用、イベント開催、クーポン発行などもカバーしており、ミニホームページとしての運用も可能な水準に達しています。
また、実名登録の原則や充実したプロフィール機能により、ビジネス利用においては詳細なマーケティングデータを得られるとう点も見逃せません。
次回はFacebookのユーザー層について確認しましょう。