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自社のホームページを作ったら、見込み客を呼び寄せる「コンテンツ」を充実させてマーケティングに活用します。コンテンツには様々な種類がありますが、どこから手を付けたら良いのでしょうか。今回はマーケティング・ファンネルのモデルに従って、目的別のコンテンツ例を見ていきます。

目的別にコンテンツを考える時に便利なツールとして、「マーケティング・ファンネル」をご紹介しましょう。ファンネル(Fannel)とは漏斗(じょうご)のことで、広く集めた見込み客が、段々数を減らしながら顧客化に向けて進む様子をモデル化した思考のフレームワークです。マーケティング論においてはかなり古典的な考え方で、歴史の荒波を乗り越えてきたモデルといえるでしょう。

マーケティング・ファンネルの図

上図は非常に単純な3段階のマーケティング・ファンネルです。簡単に説明しましょう。

第1段階は「潜在顧客の発見」です。できるだけ多くの人との接触機会を生み出し、「ファンネル」の仕組みに安定した流入を確保することが課題です。

第2段階は「見込み客の育成」で、カタカナで「リード・ナーチャリング」と呼ばれることもあります。興味を持ってくれた潜在顧客に対して、「自社の商品にはどんなラインナップがあるのか」「自社の商品を買うとどんあメリットがあるのか」といった内容について情報提供し、顧客化に向けた教育を行います。

第3段階は「顧客化」で、教育を受けた見込み客が実際にお金を払って商品を買ってくれる段階です。最後にそっと背中を押してあげるような、「いま買わなければならない理由」を提供する必要があります。

マーケティング・ファンネルの概要が分かったところで、具体的に各段階でどのようなコンテンツが有効なのか見ていきましょう。

潜在顧客の発見に有効なコンテンツ

第1段階の「潜在顧客の発見」の課題は、できるだけ多くの人に接触してファンネルへの流入を安定的に確保することでした。

コンテンツとしては、ブログやSNSを使った「お役立ち情報」の発信が考えられます。この段階では露骨に売り込むようなことはせず、とにかく潜在顧客にとって価値のある情報を発信し、自社に好意的な印象や興味を持ってもらうことが大切です。

ターゲット層も幅広くとって、今すぐは自社の商品を買ってくれそうにない人々にも積極的にコンテンツを届けることを考えましょう。ブログやSNSなら記事単位でターゲットを変更できるため、様々なターゲット層に価値を届けるという観点からも使いやすいツールであるといえます。

見込み客の育成に有効なコンテンツ

第2段階の「見込み客の育成」では、自社商品の内容や必要性についての教育を行います。

コンテンツとしては、自社サイトでの無料ダウンロード資料の提供やメールマガジンの送付が代表的です。引き続きブログを使うことも可能でしょう。

この段階でも、過度な売り込みは行わないように注意してください。見込み客にとって価値のある情報を届けながら、さり気なく自社の商品の情報についても接触しているようなさじ加減を維持します。

ネットが普及した現代では、多くの人は広告や売り込みにウンザリしています。「必要なものは、必要な時にネットで調べて買えば良い」というのが当たり前の価値観ですから、必要性を感じていないにも関わらず一方的に押し付けられる売り込みは不快でしかありません。

必要性を理解すれば見込み客の方から行動を起こしてくれますので、売り込みたい気持ちをグッとこらえましょう。

顧客化の達成に有効なコンテンツ

第3段階の「顧客化」は、充分に教育が行われた見込み客に対して「最後のひと押し」を行うことが課題です。

コンテンツとしてはメールマガジン読者限定の特別キャンペーンの告知や、特別な個別相談など、お得感を喚起するものを用意します。

見込み客は第2段階の教育によって充分に自社商品についての知識を持っており、購買意欲も高まっている状態です。「欲しいなぁ」と思っているところに、お得なキャンペーンの情報が入ってくるわけですから、不快な売り込みとは一線を画しています。それどころか、「気が利く会社だ」と好感を持ってくれるかもしれません。

ポイントは「特別感」です。教育を受けてくれた見込み客に対して、「私たちはあなたを大切にしていますよ」「特別なお客様だと考えていますよ」というメッセージを届け、購入への最後の一歩を踏み出してもらいましょう。

まとめ

以上、マーケティング・ファンネルのフレームワークを利用して、目的別にコンテンツの例を見てきました。

各段階の目的を理解した上でコンテンツを作成することで、マーケティング活動の効果を最大化することができます。コンテンツとその目的を結びつけ、全体として最適化された戦略を描けるように施策を整理してくださいね。

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