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士業・コンサルタントのビジネスは専門知識があれば少額の元手で開業することのできる業種です。

しかし、うまく成長させていくためには注意しなければいけないポイントがあります。

士業・コンサルタント事業を阻む3つの壁を見ていきましょう。

士業・コンサルタント事業を阻む3つの壁

士業・コンサルタントは、販売しているサービスの専門性が高いことから「独立開業向き」と言われることが多いですが、当然そんなに甘いものではありません。

「商材の独自性だけでビジネスが成り立つ」というのは「いいものを作っていればお客さんは分かってくれる」という職人気質のすぐ隣にある発想です。

もともと自分のスキルを高めることが好きな士業やコンサルタントの方々の性格にマッチしているのでしょうか、真面目で能力の高い先生ほど、上記のような価値観を自分でも気づかないほど自然なものとしてお持ちの印象があります。

サービスの質だけで売れるなら、世界中の経営者は誰も苦労していません。むしろ、士業やコンサルタントのビジネスは、どちらかといえば難しい部類に属しています。

士業・コンサルタントの新規開業・事業拡大を阻む3つの壁を確認しましょう。

1.顧問契約のハードルの高さ

士業・コンサルタントのビジネスモデルで、収益の中核になるのは月額制の顧問契約になります。

毎月一定の売上が立つため、複数の顧問先を獲得することができれば、資金繰りが多少乱暴でも経営を成立させることができるでしょう。

しかし、顧問契約という契約形態は、最も営業が難しい部類の契約です。

いくらあなたの能力が高く、安くサービスを提供するとしても、既に顧問がついている個人事業主・企業では通常は相手にさえしてもらえないでしょう。顧問がついていない事業でも、契約を取るまでにはかなり苦戦するはずです。

これには複数の理由が絡み合っています。

まず、顧問契約を結ぶ裁量を持つのは経営者や役員レベルであることが多く、余程の実績かコネが無いと会うことができません。

次に、士業・コンサルタントが提供するサービスが、顧問先の事業にとっては副次的なものに過ぎないという事情があります。これは特に士業に顕著で、弁護士・税理士・社会保険労務士などが提供するサービスは、法務・会計・労務などになりますが、顧問先はまず間違いなくこれらのことに関心が薄いです。

「できれば関わりたくないこと」「よく分からないからセンセイに丸投げしたいこと」程度の認識であることが多いでしょう。

忙しい中、そんなもののために時間を割いてくれる人はまず居ません。

そして、顧問契約が長期にわたる付き合いになるために、かなり信用を得ないと契約してもらえず、信用の醸成には手間も時間も必要であるという本質的な問題があります。

バリバリのセールスマンでさえ、顧問契約を獲得できるほどの信用を得るためにはかなり苦労します。真面目でスキルの高い先生ほど、通常は営業経験が浅いため、相当難しいことを覚悟する必要があります。

こうした顧問契約自体が持つハードルの高さがあるため、新たに開業した事務所はもちろん、古くからある事務所でも、新規顧客の開拓に問題を抱えている場合が多くあります。

士業・コンサルタントに小さな事務所が非常に多いのも、新規顧客の開拓ができないことに起因しているでしょう。

自然発生的なコネに営業の行く末を委ねてしまっているため、計画的に新規開拓を行って事業を拡大していくことができないのです。

2.労働集約的産業である

士業・コンサルタントの新規開業・事業拡大を阻む3つの壁の2つ目は「労働集約的産業である」です。

士業・コンサルタントは、高度に労働集約的な産業です。

つまり、サービスの供給能力を高めるためには人を集めて育てるしかない産業であるということです。

労働集約的産業の対になる概念は資本集約的産業で、工場プラントのような大規模な機械設備があるかないかが供給能力を決めているような産業を指します。

さて、労働集約的な産業である士業・コンサルタントは、機械生産のような圧倒的な生産性を発揮することができません。

このため、事務所で雇っている人員は、多くの時間をサービス供給のために費やさざるを得ず、新規顧客を獲得するための活動を十分に行うことができないのです。

3.販売サービス自体の難しさ

士業・コンサルタントの新規開業・事業拡大を阻む3つの壁の最後は、販売するサービス自体の難しさになります。

士業・コンサルタントが提供する専門サービスは、それが専門的であるが故に、一般人にはその質を判断することができません。

自らのサービスの質の高さを理解してもらうためには、根気強く時間を掛けて説明する必要がありますが、そのための時間をとって付き合ってくれるお客さんは居ませんし、そもそも営業のための人的資源を持つ士業・コンサルタント事務所は非常に限られているでしょう。

本気でWebマーケティングに取り組む

士業・コンサルタントの新規開業・事業拡大を阻む3つの壁を乗り越えられるか否かの分水嶺は、「営業の仕組み化」と「サービスの可視化」にあると言えるでしょう。

そして、これこそWebマーケティングの得意とするところです。

ハードルの高い顧問契約を獲得するためには、どうしても時間がかかります。しかし、そのための営業活動に投入できるほどの人材的な余裕が無いのが、労働集約的産業である士業・コンサルタントの宿命です。

このため、営業活動を仕組み化して効率的に行う必要があります。

具体的には、ホームページを作り込むことによって新規流入を安定的に獲得し、メールマガジンやSNSを活用して自分のサービスの質の高さを丁寧に、しかも効率的に説明します。

また、「販売サービス自体が専門的で理解してもらえない」という壁を克服するための「サービスの可視化」も行うべきです。

具体的には、ブログやSNSを通じて、専門的な情報を分かりやすい形で少しずつ発信します。特にブログ記事は、その記事の量とアクセス数が士業・コンサルタントの専門性の高さを具体的な数字の形で証明してくれるでしょう。

ここで具体例に挙げたWebマーケティング施策は、どちらも徹底的に行わなければ結果が出ない施策になります。

本気でWebマーケティングに取り組むことによって、士業・コンサルタントの安定的な事業拡大が可能になるのです。

まとめ

士業・コンサルタントの事業が必然的に抱えている問題点に対して、Webマーケティングは有力な解決策になることを説明しました。

士業・コンサルタントにおいては、「若い頃は大きな事務所で修行して、歳を取ってから独立開業」というのが王道であるせいか、Webに感度の高い若い経営者は多くありません。

しっかり作り込んでいるホームページや、マーケティング的に洗練された言動をしているSNSアカウントを見ることは非常に稀です。

つまり、士業・コンサルタントにおいては、基本的なWebマーケティング施策を行うだけでライバルをリードできる環境にあると言えるでしょう。

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