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小さな会社の生存戦略は老舗企業に学べ!その真相とは?

小さな会社の生存戦略は老舗企業に学べ!
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  • 小さな会社が生き残るためにはどうしたらいいのか?
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  •  老舗企業の生き残り戦略を知りたい

上記のようなことを知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。

老舗企業が持つ優れた生存能力の本質に迫ります。

東京商工リサーチの全国老舗企業調査によると、2017年に創業100年以上となる老舗企業は、全国で3万3,069社に達します。

さらに、2008年に韓国銀行が出した「日本企業の長寿要因および示唆点」という報告書では、世界で創業200年以上の企業は5,586社(合計41カ国)で、このうち56.32%にあたる3,146社が日本に集中していると報告されています。

2位がドイツで837社ですから、日本が突出して老舗大国であることが分かります。

老舗企業は小規模なのに廃業率が低い

先ほども引用した東京商工リサーチの全国老舗企業調査によると、日本の老舗企業の約半数は、従業員数10人未満の小さな会社です。

また、老舗企業の廃業率の低さにも注目です。帝国データバンクの調査によると、2017年度に倒産・休廃業・解散した老舗企業は461件です。

2017年の老舗企業は全国で3万3,069社ですから、老舗企業の廃業率は1.39%になります。

一方、日本企業全体での廃業率は毎年4%程度です(参考:起業希望者必見!廃業率の真実をあばく)。

つまり、老舗企業は規模の小さな会社が多いにもかかわらず、圧倒的に低い廃業率を誇っているのです。

これから起業する方や、創業したばかりの方にとって、老舗企業以上にお手本としてふさわしいモデルは無いでしょう。

老舗企業に学ぶ小さな会社の生存戦略

なぜ老舗企業は規模が小さいにもかかわらず、長期間にわたって経営を持続させることができるのでしょうか?

ここでは、ネットワークとイノベーションの観点から、相互に絡み合う3つのポイントを解説します。

老舗企業の強み1:強いネットワーク

規模が小さいにもかかわらず、老舗企業が激しい景気変動や技術の進歩などの経営環境の変化にさらされても生存し続けることができるのは、「強いネットワーク」を有しているからであると考えられます。

仕入先やお得意さんはもちろん、税理士などの専門家や商工会議所、さらには町内会や官公庁など、多種多様な企業・団体との間に、単なる経済的な利害関係を超えて相互的で長期間安定している関係性を築いているのが老舗企業の特徴です。

では、なぜ強いネットワークを築いていると生存能力が高まるのでしょうか。

まず第一に、長期の関係性を取り結ぶことで相互に相手のニーズや課題について深く理解することができ、取引の質を向上させることができます。

例えば「先々代の頃からの付き合い」というような老舗企業同士の取引を考えると、お互いに相手のビジネスの特徴や経営者の考え方、どのような方向を目指しているのかということを深く理解しているでしょう。すると、こちらから相手の細かいニーズに最適化した商品を提案することもできれば、相手からこちらの課題を解決する方法の提案があるかもしれません。

長期的な関係によって可能になる細やかなニーズへの対応は、顧客を画一的に扱わざるを得ない大手企業に対抗する有力な差別化要因になります。

また、強いネットワークが生存能力を高める第二の理由として、信頼関係を背景にした深い協力行動によって集団として変化に対応できることが挙げられます。

長年の取引を経て気づかれた信頼関係により、老舗企業は様々な相手から、環境の変化に関する重要な情報を共有してもらえるほか、何らかの生存の危機に直面した場合でも強力なサポートを得ることができます。無論、老舗企業自身がネットワークの他のメンバーに対して情報やサポートを提供し、彼らの生存を助けることも多々あるでしょう。こうした相互の協力行動により、個々の企業が孤立して経営を行っている場合に比べてリスクや不確実性への対応力が向上するのです。

上記のように老舗企業の生存能力を支えている強いネットワークですが、過剰に強固に結びついてしまうと、かえって弱体化の原因になりかねないということも指摘しておきたいと思います。

ネットワークのメンバー同士の結びつきが強くなりぎて固定的で排外的な集団になってしまうと、ネットワーク内に新しい情報が入ってくることが無くなり、ネットワーク外の潜在顧客を呼び込むことができるような競争力の構築が困難になってしまいます。

したがって、強いネットワークの重要性やメリットを認識しつつ、そのネットワークの健全性を維持するためにネットワーク外への指向性を失わないバランス感覚が重要であるといえます。

老舗企業の強み2:営利主義以外の多様な価値観

老舗企業は営利精神や経済合理性以外の多様な価値観を有しているものです。

それは長年の事業活動によって培われた伝統精神かもしれませんし、職人的な美意識や誇り、あるいは地域に対する愛着や公共精神なども重視しているかもしれません。

こうした多様な価値観が混在していることは、老舗企業の内部に葛藤を生じさせる原因でもありますが、同時に、短期的な営利精神を乗り越え、長期的な協力関係を築くための前提となるものです。

つまり、「老舗企業の強み1」で挙げた「強いネットワーク」を構築するためには、目先の利益に固執する「もうけ主義」を牽制しうる価値観が必要であるということです。

「これをやれば確かに儲かるが、我が社の伝統に反するのではないか?」とか「困っている彼らを見放せば手元資金を維持できるが、それは先代の美意識を汚すことになるのではないか?」など、老舗企業には営利精神を牽制する根拠になる価値観が豊富です。

もちろん、企業は利益がなければ存続できませんし、時に冷徹な経営判断が必要になる場面があることは論をまたないところです。

しかし同時に、営利精神だけで「強いネットワーク」を築くこともできないのです。いつも自分の利益のことしか考えていない相手を、あなたは信用することができるでしょうか?あるいは、いつも自分の利益しか考えていない人が、相手の善意や好意を信じることができるでしょうか?

現代は株主や金融機関の短期主義や利益至上主義が非常に強くなっており、企業には目先の利益を最大化するように常にプレッシャーがかけられています。そうしたプレッシャーをはねのけ、長期的な関係構築を可能にする価値観を豊富に持っていることは、老舗企業を老舗企業たらしめている理由であるとさえ言えるでしょう。

老舗企業の強み3:長期的な視野の投資活動

老舗企業は単に昔ながらの事業を維持しているだけでなく、時代の変化にあわせて技術の更新や新商品の開発を持続的に行うことで、少しずつ姿を変えながら今日に至っているものです。

技術の改善や新たな商品の開発は、確かに小粒ではあるかもしれませんが、立派なイノベーションです。

老舗企業は経営資源が限られている中でも、継続的にイノベーションを起こすことで、環境の変化に適応しているのです。

イノベーションは、その言葉の定義からして「不確実」なものです。いまの研究開発活動への投資が、将来ほんとうに新たな技術や商品に結びつくかは誰にも分かりません。いつ開発が完了するのかも、いくら掛ければ成功するのかも、何もかもがおぼろげであやふやな取り組みです。特にイノベーションが革新的なものであればあるほど、その不確実性は巨大なものになります。

したがって、短期主義や営利主義のもとでは、イノベーションのために必要な研究開発への投資はコストカットの対象になりやすいのです。経済産業省の調査による下記グラフの企業の研究費の推移(赤い折れ線グラフ)をご覧ください。

日本の研究主体別研究費の推移

ご覧のとおり、2008年のリーマン・ショックを受けて企業の研究費が急落しています。一方で、大学(青線)や公的機関(緑線)は、リーマン・ショックを受けても研究費に大きな変動がなく、グラフの期間を通じてほぼ直線になっています。

このように短期主義や営利主義と本質的に相容れない性格を持つのがイノベーションですが、老舗企業はそのイノベーションを継続的に起こすのに必要な長期的な視点を持っているのです。

「老舗企業の強み2」で挙げたように、老舗企業は多様な価値観を持っているため短期主義を牽制することができます。さらに、「老舗企業の強み1」で述べた強いネットワークが将来の不確実性の縮減に効力を発揮するため、老舗企業は長期的な視野で投資活動を行うために非常に都合のいい性格を持っているのです。

規模が小さいために、老舗企業のイノベーションは小さなもので、目立たないかもしれません。しかし、根気強い取り組みから生まれるイノベーションを着実に積み上げることで、老舗企業は100年を超える時の荒波を乗り切ってきたのです。

まとめ

老舗企業は規模が小さいにもかかわらず100年を超えて生存しており、小さな会社がお手本にするべき対象であると言えます。

その老舗企業は、

  1. 強いネットワーク
  2. 営利主義以外の多様な価値観
  3. 長期的な視野の投資活動

という相互に絡み合う3つの特徴を有しており、組織をまたいだ連携と長期的な視野を持つことで、規模の小ささをカバーし、生存能力を高めているのです。

せっかく老舗大国である日本でビジネスを行っているのですから、ぜひとも身近な老舗企業を手本にとって、経営戦略を洗練させましょう。

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