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起業希望者必見!廃業率の真実をあばく

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起業を志す人にとって、廃業率はとても気になる数字です。ネット上では「廃業率はとても高い!起業はリスキー!」という記事がたくさんありますが、本当なのでしょうか。今回は日本企業の廃業率について、統計データを使って検証します。

企業の生存率や廃業率についてネットで調べると、「5年で85%が廃業」という絶望的な数字が目に付きます。サイトによって多少異なりますが、創業後の生存年数に関して概ね下記のような数字が提示されています。

  • 1年後の廃業率は40%(生存率60%)
  • 5年後の廃業率は85%(生存率15%)
  • 10年後の廃業率は94%(生存率6%)

「せっかく起業しても10年持たないんじゃ、生活が成り立たない」と、起業を目指す人を怖気づかせる厳しい数字ですが、果たしてこのデータは本当なのでしょうか?

よく見てみると、こうしたデータを記載しているサイト・ブログの多くで根拠資料が挙げられていません。

統計データで見る本当の廃業率

では、中小企業白書2017年版から統計データを見てみましょう。

起業後の企業生存率の国際比較グラフ

上図の日本のグラフ(黄色)を見れば一目瞭然です。

  • 1年後の廃業率は4.7%(生存率95.3%)
  • 5年後の廃業率は18.3%(生存率81.7%)

残念ながら10年後まではデータがありませんが、これが中小企業庁が莫大な予算と人的資源を投入して得た最新のデータです。

そう、日本は諸外国と比べて企業の生存率が高い国なのです。

なお、単年度の開業率、廃業率は下記のグラフのとおりです。

日本の開業率は毎年5%程度で、廃業率は毎年4%程度です。「日本は諸外国と比べて開業率が低いが、同時に廃業率も低い」という姿が浮かび上がり、先程の「日本は企業の生存率が高い国」という分析とも整合していることが分かります。

これでもまだ疑っている方は、エクセルを使って簡単な計算をしてみてください。1年目期首に100社あり、毎年4%が廃業すると、5年目期末には何社残っているでしょうか?答えは81社です。簡単な計算からも、中小企業白書の数字が正しいことが分かります。

日本の開業率は毎年5%程度で、廃業率は毎年4%程度です。「日本は諸外国と比べて開業率が低いが、同時に廃業率も低い」という姿が浮かび上がりますね。先程の「日本は企業の生存率が高い国」という分析とも整合していることが分かります。

これでもまだ疑っている方は、エクセルを使って簡単な計算をしてみてください。1年目期首に100社あり、毎年4%が廃業すると、5年目期末には何社残っているでしょうか?答えは81社です。簡単な計算からも、中小企業白書の数字が正しいことが分かります。

起業家にとっての廃業とは?

ここで少し視点を変えてみましょう。起業家にとって、そもそも廃業の何が問題なのでしょうか。一生に一度しか起業してはいけないというルールはありません。一度廃業しても、また開業してチャレンジできるのであれば、特に困ることはなさそうです。

問題なのは、廃業したが最後もう二度とチャレンジできない状態に追い込まれること。最も典型的なのは巨額の赤字や借金を抱えての倒産ではないでしょうか(実際は借り入れの際に保証会社が入ったりして、必ずしもチャレンジできなくなるわけではないのですが・・・)。

資産超過状態での廃業の存在

さっそく廃業の詳細を確認しましょう。下記のグラフは小規模企業白書2017年版からの引用です。

2016年の数値に着目すると、「倒産」が8千件程度なのに対して、資産超過の状態で廃業する「休廃業・解散」は2万9千件にものぼります。

廃業というと倒産のイメージが強いですが、冷静にデータを確認すれば、資産超過の状態すなわち「儲かっている状態」で廃業する方が支配的だということが分かります。これなら廃業しても新たなチャレンジができそうです。

なぜ儲かっているのに廃業してしまうのかといえば、原因の一つは下記のグラフを見れば分かります。

休廃業・解散企業の経営者年齢の構成比の変化グラフ

資産超過状態で休廃業・解散している企業の経営者は2016年時点で約8割が60歳以上であり、ご高齢の方が多いのです。典型的なイメージだと、「これまで家族と少しの従業員でお店をやってきたが、お父さんが年を取って体力的に厳しくなってきたので店を畳んだ」といったところでしょうか。

この「高齢経営者が廃業してしまう」というのは白書でも毎年のように取り上げられる重大な問題で、政府は事業承継をスムーズに行うための支援策を講じ、なんとか事業の若返りを促進しようと取り組んでいます。

結論

以上、統計データを使ってネット上にあふれる噂の真偽を確かめました。

もちろん、公務員や大企業のサラリーマンに比べれば、起業がリスキーであることに変わりはありません。入念な準備が必要です。

しかし、ネット上で書かれているほど、起業はリスキーなものではないということもまた事実です。出処の怪しい数字に惑わされることなく、冷静にリスク評価を行っていただければと思います。

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