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Facebookの特徴を理解し、運用のコツを掴むためのFacebookマーケティング講座です。

広告宣伝に大きな予算をかけられない中小企業・個人事業では、無料で多くの潜在顧客にアピールできる可能性を持つSNSの運用は必須です。

前回はFacebookの特徴について、その歴史を振り返りつつ概観しました。

前回:Facebookマーケティング講座-Facebookの特徴を理解しよう!

今回はFacebookの利用者についてのデータを確認し、どんな人々がFacebookに集まっているのかについて学んでいきましょう。

Facebookの利用者層

まずはFacebookの利用者層について、具体的なデータを確認しましょう。

ソーシャルメディアラボの調査によると、2019年1月時点で日本国内の月間アクティブユーザー数(月内にFacebookを使用したことがある正味の利用者数)は3,000万人弱と推定されており、その内訳は次のグラフのようになっています。

Facebookの年齢別ユーザー数・男女別・国内

引用元:11のソーシャルメディア最新動向データまとめ

上記のグラフを詳しく分析していきましょう。

40代・50代がメイン層

グラフを見ると、40代・50代がメインの利用者層であることがすぐに分かります。

40代の利用者数は673万人となっており、同年代の総人口の35.8%に達します。50代は608万人と若干少なくなりますが、これは同年代人口の38.1%であり、利用率でいえば40代よりも50代の人の方がFacebookに積極的であることがうかがわれます。

この辺りは「SNSの老舗」であるFacebookの面目躍如たるところです。アメリカ本国でのサービス開始が2004年、日本でのサービス開始は2008年であり、10年以上が経過しています。SNSという新しい文化のセンセーションを起こしたサービス開始以来、根強いファンがFacebookを利用し続けているわけです。

なお男女比については、40代で男性54%・女性46%、50代で男性61%・女性39%となっており、男性の利用者の方がやや多くなっています。

60代にもアプローチ可能

次に60代について見てみましょう。

60代の利用者数は531万人で同年代の人口の31.1%になっており、40代・50代に比べるとやや劣るとはいえ、非常に多くの人が利用していることが分かります。

Webマーケティングの観点から言うと、「60代にもアプローチ可能なSNS」というFacebookの特徴は見逃せません。

通常は年齢が高くなるとWebの利用率は下がっていきます。ネットサーフィンする時間も短くなりますし、Web検索を利用することも少なくなります。SNSという比較的新しいサービスでは、この傾向は一層強くなります。

そんな中、Facebookには40代から60代まで強固な利用者層があり、いわゆる「Webに疎い」世代にもアプローチできる貴重なサービスになっています。

さて、60代の利用者の男女比を見ると、男性58%に対して女性42%になっており、40代・50代と同様に男性優位の傾向が見られます。

これはFacebookがビジネス用途で活用されてきた歴史に起因すると考えられます。

前回の講座で確認したように、Facebookの最たる特徴は「実名登録制」であるという点です。実名を公開して、現実世界で実際に顔を合わせたことのある人とつながるのがFacebookの典型的な使い方です。個人事業主やフリーランスで働く人、個人の業績が問われる営業部門の会社員にとって、またたく間にFacebookは必須のビジネスツールになりました。

女性の社会進出が進みつつあるとはいえ、今の40代から60代の多くがFacebookを始めたと考えられる10年前はまだまだ男性の会社員・事業主の方が数が多かったため、それがグラフの男女比に現れているわけです。

20代以下は苦手

40代以降に強みを持つFacebookですが、20代以下は苦手としています。

再びグラフを確認すると、20代の利用者数は444万人で同年代人口の35.4%となっており、10代の利用者は144万人で同年代人口の24.3%となっています。最新のIT技術やWebサービスを柔軟に使いこなす若者層であるにも関わらず、Facebookはあまり上手に取り込むことができていないことが分かります。

また、男女比についても、20代で男性49%、女性51%となっており、10代では男性58%、女性42%となっています。「男性多数」というパターンが崩れており、40代以降とは質の異なる利用者層であることが推察されます。

これは日本特有の現象ですが、20代以下の若者たちには「Facebookはおじさん・おばさんが使うもの」というイメージが存在しており、彼らはFacebookを積極的に利用したいとはあまり考えていません。若年層は様々な最新のサービスを使いこなすことができるが故に他の選択肢をたくさん持っており、あえて「ダサい」FacebookをメインのSNSとして利用する必然性がありません。

Facebookがこの傾向を打破することができなかった場合、将来的には日本のFacebookコミュニティは大きく衰退するものと予想されています。

オフィシャルな雰囲気が漂うSNS

Facebookが40代以降の中高齢層に強い一方で、20代以下の若年層には弱いSNSであることを確認してきました。

比較的高めの年齢層の利用者が多いことに加え、実名登録制であることやビジネス用途で利用されてきた歴史から、Facebook上での利用者同士の交流には落ち着いた雰囲気が漂っています。Facebookのビジネスアカウントから発信される情報も「公式発表」として受け取られる傾向があります。

SNSに限らず、メディアが持つ雰囲気、あるいは「ノリ」を理解しておくことは、マーケティング施策を考える上で非常に重要なポイントです。

Facebookの持つオフィシャルでやや落ち着いた雰囲気は、ブランドの誠実性や専門性をアピールするには好都合です。一方で、いわゆる「ネットのノリ」を取り入れた派手でやんちゃなアピールは、少々鼻につくものとして受け取られてしまう可能性があり、施策の内容を慎重に検討する必要があると言えます。

まとめ

Facebookの主要な利用者層は40代以降であり、特に60代でも多数の利用者を有しているのが強みであることが分かりました。一方で20代以下の若年層からは「おじさん・おばさんのSNS」という印象を持たれており、長期的な衰退が懸念されています。

全体的には男性の利用者の方が多い傾向がありますが、20代以下ではそのパターンが崩れており、今後どのように利用者の内訳が推移していくのかは要注意と言えるでしょう。

上記のような大人の利用者層と、実名登録制やビジネス利用されてきた歴史などから、Facebook上でのコミュニケーションはやや落ち着いた雰囲気があり、ビジネスアカウントから発信される情報も「オフィシャルな発表」としての性格を帯びやすくなっています。

さて、次回のFacebookマーケティング講座では、これまでに学んだ内容を踏まえて、Facebookをマーケティングに活用することを考えた際のメリット・デメリットを考察していきましょう。

次回:近日公開

前回:Facebookマーケティング講座-Facebookの特徴を理解しよう!

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