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自社のホームページを単なる「ウェブ版会社案内」で済ませてしまうのではなく、マーケティング等の営業活動に活かしましょう。その方法を「待ちの営業」と「攻めの営業」に分けて見ていきます。

経済産業省公表の「平成28年度 中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略等に関する調査」では、一般消費者に向けたPR活動として行った施策について、新事業展開に成功した企業の50.6%が「自社WEBサイトによるPR強化」を行っており、実施率第1位の施策だと報告されています。

アイデア次第で様々な使い方ができる自社のホームページは、予算・人員・時間が限られた中でもビジネスを成功させるための鍵を握っていると言えます。

待ちの営業に活用する

ウェブサイトは、その特性上「待ちの営業」、すなわちインバウンドマーケティングに活かすのが基本的な使い方になるでしょう。ホームページの訪問者の役に立つコラムやブログ、ダウンロード資料などを用意して自社をPRするコンテンツマーケティングはどんなビジネスにも導入しやすい、最も代表的なウェブマーケティング活動です。

自社のビジネスに興味を持ち始めたばかりの人、具体的な購入の検討段階に入っている人、既に購入した経験がある人など、様々な相手の関心に合わせたコンテンツを用意することで、効果的なリードナーチャリング(見込み客の育成)を行うことができます。

コンテンツマーケティングを成功させるポイントは、きちんと情報戦略を立案してから始めることです。どのようなブランドイメージを確立したいのか。誰を対象に訴求していくのか。それらを反映したコンテンツとはどのようなものなのか。こうしたことを事前に検討しておかないと、マーケティングの効果が出るまでに時間を要するほか、見込み客にあいまいなメッセージを伝えてしまうことになるでしょう。先に引用した「平成28年度 中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略等に関する調査」では、こうしたノウハウを持った人材確保・人材育成には時間を要することから、外部リソースを積極的に活用することが有効であると結論づけられています。

攻めの営業に活用する

インバウンドマーケティングは関心のある人の方から自社を見つけてくれるため効率が良いのですが、こちらから積極的に需要を掘り起こすという点では弱い手法です。「攻めの営業」、すなわちアウトバウンドマーケティングを、ホームページを使って仕掛けるならメールマガジンの運営が導入しやすいです。

とはいえ、メールマガジンの開封率は決して高くなく、見込み客の検討段階に応じて内容を変えるなどの工夫がないと成果をあげにくいでしょう。

むしろ、汎用的な方法に頼るのではなく、自社の状況にあった独自の施策を考え出すことにこそ、ホームページを使ったアウトバウンドマーケティングの面白さがあると思います。例えば、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会代表理事の岩本俊幸氏は著書『BtoBマーケティング&セールス大全』の中で「営業部隊が保有している名刺の中から見込みがありそうな相手に人が丁寧に書いたメールを送り、そこに通常なら会員登録しないとアクセスできないの自社ホームページの特典ページへの特別リンクを付ける」というアイデアで、難しいBtoBマーケティング案件を成功させた経験を語っています。

等身大の活用が大切

自社のホームページは使い方次第で成果が大きく変わり、特にアウトバウンドでの活用は個別の施策が重要であることから、外部のコンサルタントに依頼する場合が多くなります。

その際、「マーケティングオートメーション」や「オムニチャネル分析」、そのほかAIや機械学習を組み入れた手法など、先進的な手法の導入を勧められたら注意が必要です。高度な手法から成果を引き出すためには、分析に必要なデータの収集や分析結果の活用に関する全社的な協力と運用チームの整備が必要になりますので、導入時の負荷が高くなります。

ホームページを適切に活用すれば基礎的な手法でも十分な効果が得られますので、小さく始めることをおすすめします。

まとめ

ホームページを使った営業方法としては、待ちの営業としてのコンテンツマーケティングが代表的です。攻めの営業ではメールマガジンが典型ではあるものの、自社にあった独自の施策を仕掛けることでさらに大きな成果を得られるでしょう。

ホームページの活用について外部のコンサルタントに依頼する場合は、むやみに高度な手法に飛びつくのは危険です。まずは基礎的な手法からきちんと成果を引き出せる体制の構築を目指すのが成功のポイントです。

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